梅雨の長雨

　梅雨も後期に入って７月の長雨が続いている。例年この時期は，旧司法試験の論文試験対策をしていた。
　でも，試験前になっていくに従って，勉強量を減らしていった。前日などは，各科目３０通の答案構成だけを何回も眺めるだけで，当日はその構成例を会場まで気休めに持参したが殆ど読まなかった程度であった。試験当日くらいは「お祭り」なので勉強しなくても許されるだろうと思っていたし，当日やっても実力は伸びないばかりか，頭が疲労し思考能力が鈍ると考えたからである。
　頭を軽くして本番は虚心坦懐，出された問題を素直に考えて論述していった。
　全てが終わった後，夏の夕暮れに数名の受験生を乗せて上野公園まで走るバスの中で，「やっと今年で最後かな」との心地よい疲労感に包まれていた。
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