弁護士2700人時代2

 昨年の11月15日にもこの話題について書いたが,その時点と現在とは考え方が少し異なってきた。
【就職の見地】
 まず,58期より350人程多い59期の就職事情がそれほど芳しくないらしい。10%強の人が未だ決まってないそうだ。就職事情については58期でも,なんとか収まったという感じだったので,やはり少し人数が多い59期は結構厳しくなっているようだ。就職率はあまり評判のよろしくない事務所(58期でも既にやめたいと言っている人もいる)を含めての数字でもある。企業の募集もそれほど増えてはいない。
【独立開業の見地】
 それでは,まあ開業すればいいではないかという声もある。しかしまず,1つの事務所を立ち上げるというのはとても大変な作業であるということはさておき,立ち上げて仕事を始めても,仕事の入り方の点について,実際に仕事をしてみてそれほど法的需要は高くはないという感じである。時の経過と共にぽつんぽつんと仕事が入ってくるイメージである。それほど法的紛争というのはあるわけではない。
 やめ検・裁の弁護士もかなり増えている。年金もかなりあるのに,かなり国選事件などをやっている。その上新人が増えれば,国選の受任も減らざるを得ないだろう。
 以上の理由により,現実的観点からするとかなり先行き不安であり,現在の倍の法曹を創出しても競争がかなり激化し,苛酷な利益無き繁忙が待ち受けているように思われる。