実直な被告人

 昨日は,刑事裁判が2件あった。
 一件目は,執行猶予で終結し被告人もホッとした事案である。遠方の在宅事件だったのだが,実刑もある程度覚悟していた被告人は,格調ある判決理由をじっくり聞いて,終わった後は「スッキリした気分だよ」と言いながら帰路についた。なお,訴訟費用(国選弁護料)の負担が命じられた。

 「この被告人は,最近電車に乗っていた際,車内に開閉ドアの隅に立っていた女子高生のお尻付近に,不自然に手をだらーんとして満員でもないのに極めて接近して立っていた中年男性に対して,「何やってんの」とポンと肩を叩いたそうである。当該男性は何もなかったように逃げていったそうな。犯罪を未然に防ぐなど,かなり実直な男であった。」
 
 二件目は,かなり酌むべき事情のある事案であるのだが,起訴後に新たな事情が生じてしまっていた。ちょっと,刑法の刑罰に関する条項の論点が絡んできてしまい,少々厄介となった。
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