事情聴取の技法

atsuhirolaw2005-12-18

 弁護士への事件依頼等はまず法律相談から始まる。相談では事実及び相談の目的の両者を知るという意味で事情聴取が重要である。
 さて,事情聴取の技法として,初対面の場合ラポールの形成(精神的交流・意思の疎通が良好である状態)が大切である。ラポールの形成により何でも相談してみようとの安心感と信頼感を持つからである。
 ラポールは共感的聴取法(相談者と同じ目線の高さにいることを示すことーたとえば,上手な相づちとか軽く身を乗り出し相談者を包み込むような姿勢)によるエンパシーがあれば生じるといえる。エンパシー(人への共感)があると適度のラポールが醸成されてさらに信頼関係が深まり,自分が不利益と思っていることも隠さずに述べるようになる。
 もっとも,ラポールの過度の醸成は,甘えの引き金になり弁護士助言の客観性を喪失させるので注意しなければならない。