被告人たちの思い(49)

atsuhirolaw2006-01-08

 罪を犯して裁判にかけられており,証拠上も十分で自白している被告人については情状立証に重点が置かれる。その際,彼らは反省していると口で言っていても,心の中では自分のことを正当化していることが多い。
 たとえば,窃盗犯では「金がなくて,盗るしか仕方なかったのだ」の如くである。このような正当化を行わないと人間は耐え難いほど自尊心が傷つくからである。
 したがって,「何でそんなことをしたんだ」とあまり責め立てては却って逆効果である。その人間のよい側面にスポットを当てて強調し,罪を犯したことは「仮の姿」であることを認識されることが反省を促す意味で重要なのである。