■2005/11/14 (月) 新司法試験サンプル問題ー民事系

 新司法試験プレテストが実施され問題が公表されている。プレテストについては,成績も発表されているが,あまり出来がよくないようである。しかし,この点については,法科大学院1期生は対策を講じていないのであるから,無理からぬところであり,当然,来年の新司法試験については十分準備して臨んでくるであろう。
 さて,プレテスト民事系の問題については,民商融合問題である第1問のは,民法と商法とを独立して問うものに過ぎないとして,すこぶる評判がよくない。反面,その前に発表されたサンプル問題のほうが,民法民事訴訟法を融合させており,司法修習に架橋しうるものといえ,またより実務対応能力等が試せて良い問題であると考えられる。新司法試験はこの方向で出題がなされるものと予想される。このサンプル問題は,いわゆる言い分方式で出題がなされており(司法書士の考査の問題もこの方式である),まさに司法修習に直結するものといえよう。
 そのサンプル問題の中では,民法94条2項の虚偽表示における善意の第三者背信的悪意者,代物弁済等が論点となっている。94条2項・善意の第三者の所有権取得については,実務は,法定取得説に立っており(最判昭42・10・31),また第三者は善意のみで足りるとされてるので,実務重視の見地からはこの方向で答案を作成する方が得策であると考えられる。